まるごと日本語オンラインコース
「まるごと日本語オンラインコース」とは?
国際交流基金が運営する日本語学習プラットフォーム「JF にほんご eラーニング みなと」で開講されている、総合的な日本語力を身につけるためのコースです。
「まるごと」とは?
「まるごと」とは、国際交流基金がJF日本語教育スタンダードに基づいて開発したコースブック『まるごと 日本のことばと文化』のことです。
このコースブックは、日本語を使ってコミュニケーションをすることと、異文化を理解し、尊重することを重視してデザインされています。「まるごと日本語オンラインコース」は、この『まるごと 日本のことばと文化』をオンラインコース化したものです。
コースブックについてもっと知りたいという方は、こちらをご覧ください。
JF日本語教育スタンダードとは?
JF日本語教育スタンダードは、日本語の教え方、学び方、そして学習成果の評価の仕方を考えるためのツールです。ヨーロッパの言語教育の基盤であるCEFR(Common European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment)の考え方を基礎にして作られました。JF日本語教育スタンダードを使うことによって、日本語で何がどれだけできるかという熟達度がわかります。
JF日本語教育スタンダードについてもっと知りたいという方は、こちらをご覧ください。
コースの対象者は?
主に海外の成人学習者を対象としています。オンラインコースですので、これまで日本語に興味はあっても仕事や学業、家事や育児などに追われ、なかなか学習する時間が取れなかったり、近くに日本語を勉強する場所がなかったりした方に最適です。
「まるごと日本語オンラインコース」は、パソコンだけではなくタブレット、スマートフォンでもご利用いただけます。タブレットやスマートフォンを使うことで、隙間時間を利用して、いつでも、どこでも日本語の学習をすることができます。
コースにはどんなレベルがありますか?
「まるごと日本語オンラインコース」の日本語レベルは、JF日本語教育スタンダードに準拠しています。
現在、A1レベルとA2レベルのコースを開講しています。
A1レベル
- 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常表現と基本的な言い回しは理解し、用いることもできる。
- 自分や他人を紹介することができ、どこに住んでいるか、誰と知り合いか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりできる。
- もし相手がゆっくり、はっきりと話して、助け船を出してくれるなら簡単なやり取りをすることができる。
A2レベル
- ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。
- 簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。
- 自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。
B1レベル
- 仕事、学校、娯楽で普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば主要点を理解できる。
- その言葉が話されている地域を旅行しているときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。
- 身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で結びつけられた、脈略のあるテクストを作ることができる。経験、出来事、夢、希望、野心を説明し、意見や計画の理由、説明を短く述べることができる。
B2レベル
- 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的かつ具体的な話題の複雑なテクストの主要な内容を理解できる。
- お互いに緊張しないで母語話者とやり取りができるくらい流暢かつ自然である。
- かなり広汎な範囲の話題について、明確で詳細なテクストを作ることができ、さまざまな選択肢について長所や短所を示しながら自己の視点を説明できる。
C1レベル
- いろいろな種類の高度な内容のかなり長いテクストを理解することができ、含意を把握できる。
- 言葉を探しているという印象を与えずに、流暢にまた自然に自己表現ができる。
- 社会的、学問的、職業上の目的に応じた、柔軟な、しかも効果的な言葉遣いができる。
- 複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細なテクストを作ることができる。その際テクストを構成する字句や接続表現、結束表現の用法をマスターしていることがうかがえる。
C2レベル
- 聞いたり、読んだりしたほぼ全てのものを容易に理解することができる。
- いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構成できる。
- 自然に、流暢かつ正確に自己表現ができ、非常に複雑な状況でも細かい意味の違い、区別を表現できる。
コースの解説には、何語がありますか?
「まるごと日本語オンラインコース」には、現在、以下の解説言語があります。
レベル | 解説言語 | オンラインコース | コースブック | |
---|---|---|---|---|
A1 | 英語 インドネシア語 タイ語 スペイン語 ベトナム語 中国語 フランス語 ポルトガル語 |
まるごとA1-1(かつどう・りかい) | 入門(A1) |
L1-L10 |
まるごとA1-2(かつどう・りかい) | L11-L18 | |||
A2 | 英語 インドネシア語 スペイン語 |
まるごとA2-1(かつどう・りかい) | 初級1(A2) |
L1-L10 |
まるごとA2-2(かつどう・りかい) | L11-L18 | |||
英語 スペイン語 |
まるごとA2-3(かつどう・りかい) | 初級2(A2) |
L1-L10 | |
まるごとA2-4(かつどう・りかい) | L11-L18 | |||
A2B1 | 英語 | まるごとA2B1-1 | 初中級(A2/B1) |
T1-T5 |
まるごとA2B1-2 | T6-T9 |
今後も、より多くの言語で解説が読めるよう、多言語化展開(公開時期未定)を行っていく予定です。
コースタイプ
「まるごと日本語オンラインコース」には、どんなコースタイプがありますか。
「まるごと日本語オンラインコース」には、2種類のコースタイプがあります。
自習コース
インタラクティブな学習コンテンツで自学自習するコースです。
教師サポート付きコース
インタラクティブな学習コンテンツでの自学自習に担当教師によるサポートが加わります。サポートには、課題の添削、トピックごとのライブレッスンなどがあります。
教師サポート付きコースはグループで行いますので、日本語を学ぶ仲間にも出会うことができます。
A1レベルの「かつどうコース」と「かつどう・りかいコース」の違いは?
A1レベルの「かつどうコース」は、日本語を気軽に勉強したい人のためのコースです。学習コンテンツ「かつどう」を使って、日本語をたくさん聞き、話す練習をして、日常場面でのコミュニケーション実践力をつけることを目指します。
一方、「かつどう・りかいコース」は、日本語をしっかりと勉強したい人のためのコースです。「かつどう」に加え、「りかい」でコミュニケーションの中で日本語がどう使われるか、体系的に学ぶことができます。読む、聞く、書く、話すの総合的な日本語力をつけることを目指します。
「かつどう」、「りかい」の詳細は、こちらをご覧ください。
「かつどう・りかいコース」は、どうやって学習を進めるの?
「かつどう」と「りかい」は、どちらとも同じトピックで書かれています。1トピックは2つの課で構成されており、課ごとに「かつどう」→「りかい」という順番で学習します。
コースコンテンツ
どんな教材で勉強するの?
まるごと日本語オンラインコースには、日本語を使ってコミュニケーションができるようになるために、「かつどう」と「りかい」の2つの学習コンテンツがあります。
かつどう
「かつどう」では、日常場面でのコミュニケーション実践力をつけるため、目標Can-doごとにステップ1~6の順で学習します。
ステップ1:目標を知る
目標Can-doや場面を確認します。
ステップ2:見る・聞く・言ってみる
音声を聞いて、言う練習をします。
ステップ3:聞く・気づく
会話などを聞いて、内容を理解し、表現に気づきます。
ステップ4:使ってみる
動画を見て話す練習をしたり、日本語を書いたりします。
ステップ5:Can-doチェック
目標Can-doができたか、自分でチェックします。
ステップ6:生活と文化(偶数課のみ)
日本の生活と文化について写真や動画を見て、理解します。
りかい
「りかい」では、課ごとにステップ1~8の順で学習し、日本語のしくみについて学びます。
ステップ1:きほんぶん
学習することを確認します。
ステップ2:もじとことば
文字とことばを練習します。
ステップ3:かんじ
トピックに関係することばの漢字を学びます。
ステップ4:かいわとぶんぽう
会話と文法を結びつけ、文の構造やルールを理解します。
ステップ5:どっかい
短い文章を読みます。
ステップ6:さくぶん
短い文章を書きます。
ステップ7:クイズ(A1-1、A1-2のみ)
まとめのクイズをします。
ステップ8:にほんごチェック
場面にあった日本語の使い方がわかったか、自分でチェックします。
自学自習だと、きちんと理解できるか不安です…。
自学自習でもきちんと理解しながら学習が進められるように、みなさんの学習をサポートするさまざまなコンテンツがあります。
全体のサポート
このコースで学ぶ内容の一覧や日本語に関する基本的な知識、文法資料や語彙帳、漢字リストなどをいつでも参照できるようになっています。これらの資料は、PDFでダウンロードもできます。
課ごとのサポート
学習している課の内容にあわせて、その課で学ぶ「ことば」「きほんぶん」「かんじ」の意味や説明をいつでも参照できるようになっているので、分からないことがすぐに調べられます。
各学習内容のサポート
学習する練習内容に応じて、新しいことばや表現、日本の文化情報などの補足説明があります。そのため、自分で理解を深めながら学習を進めることができます。
自学自習だと、学習を続けられるか心配です…。
オンラインコースは、自分のペースで自分の好きな時間・場所で学習することができます。せっかく興味を持って始めた日本語の学習をみなさんが無理なく続けられるよう、自分自身で学びの過程をふりかえることができるマイページを一人ひとりに用意しています。
マイページ「学習進捗」
学習の進捗が記録されるので、学習した箇所を一覧で確認でき、日々の学びの過程を確認しながら、自分のペースで進めることができます。
マイページ「ポートフォリオ」
学習の自己評価や、学習の過程で書いた課題など、日本語や日本文化の学習が記録されるので、このコースの中での学びの過程や成果を見て、いつでも学習をふりかえることができます。